住宅庭園の調査地点 |
青葉区は横浜市の北部に位置し,東京都心まで1時間程度の新興住宅地である. 人口は約28万人である.昭和40年代から急速に開発が進んだ日本の典型的な一戸建て 住宅地で,ガーデニングに関心が高く,流行に敏感な地域であると想定される. 和風一戸建てから洋風一戸建てなどの様々なスタイルの住宅が, 大都市の住宅地にしては比較的広い敷地に建てられていて,庭の景観もバラエティに 富んでいると考えられる地域である.このため,日本の庭の景観調査を行い, どのようなパターンが存在するかを見るには大変適した地域であると思われる.
レディング(Reading)市はバークシャー州の州都で人口は約15万人, ロンドン西方約60kmに位置する.街の中心部の東南に位置するレディング大学の周辺は, 中流と思われる家庭が居住する住宅地になっていて,英国の普通の人たち の庭の景観を調査するのに適した場所の一つであると考えられる. 共同研究者の安達先生が以前レディング大学に留学していたので 土地勘も多少あるとのことで調査対象地域にした.
イタリア北西部のピエモンテ州の州都であるトリノ(Torino)市は,
人口約100万人の工業都市で,自動車のフィアットで有名である.西から北にかけては
アルプス山脈に面し,南はアペニン山脈に面した盆地のような地形に位置している.
平地部分は集合住宅で占められ,庭つきの一軒屋は周囲の丘陵地帯に分布している.
一軒あたりの敷地がかなり広く,上流階層の人々が居住している.
敷地の入り口は門で閉ざされ,インターホンで居住者と会話して,内部から自動的に
開閉させるようになっていることが多い.これは、不審者の侵入を防ぐためと考えられる.
このため,2001年4月の予備調査の折に,トリノ大学のアカティ(Accati)教授の学生
と一緒に一軒屋の住人にアポイント無しで訪問調査を試しに行ったところ,他人に対する
警戒心が強いようで,ほとんど拒否された.
英国スコットランド地方の首都であるエジンバラ(Edinburgh)市は人口約45万人で, 古く(6世紀頃)から栄えた,歴史上の建造物も多い観光都市である.2001年7月3日から 6日にかけて,エジンバラ大学で国際環境心理学会が開かれ,そこで研究発表を 行うために訪れた.せっかくエジンバラに行ったのだから個人の庭景観の 標本を抽出してみようということになり,予定にはなかったのだが, 急遽調査を行うことにした.
南ドイツのバイエルン州の首都ミュンヘン(人口約130万人)の北東約40km (電車で約30分)のところにあるフライジング(Fraising)市は 人口約5万人の小さな都市で,ミュヘン国際空港にほど近い. ミュンヘン工科大学がある大学街で,中心部のまわりには庭付きの一軒屋が 多数存在してドイツ中流家庭が居住しており, 庭の調査を行うには絶好の場所と考えられる.
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