生活環に関する用語の解説
生活環
生物が生まれてから死ぬまでの一生を、配偶子の合体(受精・接合)を連結点として、環のように表現したもの。人間や種子植物は減数分裂と配偶子形成が同時に起きるが、藻類では減数分裂から配偶子形成までの間を配偶体として生活する種類があり、世代が交代するパターンやそこに見られる細胞や体の特徴が、分類群によって変化に富んでいる。
配偶子・卵・精子
合体して新しい個体を発生することのできる生殖細胞。形態的な差の有無によって同形配偶子と異形配偶子とがある。異形配偶子の極端なものを卵・精子として区別する。
接合・受精
藻類では配偶子の合体を接合とよぶ。卵と精子の合体の場合は受精とよぶ。
接合子・受精卵
配偶子が合体して生じる細胞を接合子とよぶ。卵と精子の受精による場合は受精卵とよぶ。
核相・単相・複相
生活環を核の染色体数からみたものを核相という。珪藻の場合は通常生活している栄養細胞は複相(2n)で、有性生殖を行うときにのみ単相(n)の配偶子を生じる。このことから珪藻は複相植物に類型され、単相植物・複相植物と対比されることがある。藻類では生活環における核相の交代パターンが変化に富むのでこのような類型化を行う場合がある。
参考:「岩波生物学辞典第4版」