珪藻とCO2吸収


地球温暖化が問題となっている昨今、珪藻はCO2の吸収源として注目されています。

森林など陸上植物も重要なCO2の吸収源ですが、体が食べられたり分解されることによって、再びCO2を放出するので、実際にはCO2の循環しか行っていないといわれます(泥炭になる一部を別とする)。
これに対して海洋中の植物プランクトンは、他の生物に食べられたり分解されながらも、最終的に有機物が深海に堆積することで逆反応に打ち消されずに、CO2の吸収を行うことができるのです。

海洋プランクトンは、珪藻のみならず、ハプト藻の円石藻や、渦鞭毛藻も主なものですが、どれも同じように機能しているわけではありません。円石藻は炭酸塩の殻を作る過程でCO2を放出しますが、珪藻は珪酸塩の殻を作ってもCO2は放出しません。したがって、珪藻のCO2吸収能力は円石藻に勝っています。湧昇流の盛んな高緯度海域のように、珪藻が繁殖する海は食物連鎖も効率よく進み、その結果、マリンスノーとして深海に運ばれる量も多く、CO2の吸収が促進すると考えられています。

参考
地球環境変動のカギを握る海洋. [PDF]
( Blue Earth. 海洋科学技術センター)