アユは稚魚のうちは底生動物などを餌としているが、大きくなると藻類しか餌としなくなる。アユの口は肉食性の魚と違い、上下にまっすぐに開くのでなく、斜めにずれて開く。このため、口を閉じたとき、石の表面に付着する藻類を容易に食べることができる。アユの食べる藻類は、珪藻以外に藍藻もよく食べる。ホメオスリックス・ヤンチーナとい糸状群体をつくる藍藻もアユによく食べられている藻類である。なお、アユにはスイカのような独特の香気があるが、この香りはアラキドン酸、EPA、DHAといった高度不飽和脂肪酸のリポキシゲナーゼによる酸化の結果と推定されているが、珪藻にはこれら高度不飽和脂肪酸が多いことが特徴であり、珪藻はアユ香気の原材料となっていると考えられている。