2008.5.22
携帯解答サイト: http://lbm.ab.a.u-tokyo.ac.jp/~omori/k/

標準正規分布 N(0,1) 累積表の結果

第1問:1 以上
内訳  解答者数  間違い   正解    のべ解答数  
人数  27 73  21 94
    
第2問:-2 以下
内訳  解答者数  間違い   正解    のべ解答数  
人数  25 16  20 36
<
第3問:-1 から 1
内訳  解答者数  間違い   正解    のべ解答数  
人数  21 7  20 27
    
第4問:-1.96 から 1.96
内訳  解答者数  間違い   正解    のべ解答数  
人数  19 1  18 19

標準正規分布累積表の使い方と意味については理解できたようだ.

5-3.標準正規分布 N(0, 1)(追加)

標準正規分布 N(0, 1) では,-1 ≦ z ≦ 1 の範囲に全体の68.3%が含まれ, -2 ≦ z ≦ 2 の範囲に全体の95.4%が含まれる(下左図).
 また,平均 μ - 30, 分散 25 の正規分布 N(30, 25) では,標準偏差が σ = √25 = 5 なので, 25 ≦ x ≦ 35 の範囲に全体の68.3%が含まれ, 20 ≦ x ≦ 40 の範囲に全体の95.4%が含まれる(下右図).
normal1 normal2
範囲に含まれる確率
  N(0, 1)     N(30, 25)     N(μ,σ2)    確率(%)
 -1 → 1  25 → 35  μ - σ → μ + σ 68.3
 -1.96 → 1.96  20.2 → 39.8  μ - 1.96σ → μ + 1.96σ 95.0
 -2 → 2  20 → 40  μ - 2σ → μ + 2σ 95.4
 -2.58 → 2.58  17.1 → 42.9  μ - 2.58σ → μ + 2.58σ 99.0
 -3 → 3  15 → 45  μ - 3σ → μ + 3σ 99.7

例題
標準正規分布では,-2から2までの間に全データのかなりの部分(95.4%)が含まれる. 平均 8,分散 4 の正規分布でこの区間に対応するのは何か.
平均μ=8,標準偏差σ=√4=2.
小さい値=μ−2σ=8−2*2=4, 大きい値=μ+2σ=8+2*2=12. これより,4 〜 12,に全データのかなりの部分が含まれる.

第9問:1000人の学生による英語試験の成績は,平均60点,標準偏差は12点であった. 上位30番以内に入るには何点が必要か.(携帯で送信)

5-4. 独立な正規分布の合成分布(続き)

例題
平均身長 172.5cm,標準偏差 6cm の集団 A と,平均身長 168cm,標準偏差 4.5cm の集団 B がある. いま,集団 A,B からそれぞれ 1 人をランダムに選んだとき,集団 A から選ばれた人の方が集団 B から 選ばれた人より背が高くなる確率を求めよ.
解答例
集団 A からの標本を x,集団 B からの標本を y とする.
x 〜 N(172.5,36),y 〜 N(168,20.25)なので, uxy 〜 N(4.5,56.25)に従う.
つまり, 集団 A からの標本と集団 B からの標本の差は,平均 4.5cm,標準偏差 √56.25=7.5cm の 正規分布に従う.この正規分布が 0 より大きくなる確率を求めればよい.
 標準正規分布に変換すると,
z = (u − μ)/σ = (0−4.5)/7.5 = -0.6
となるので,標準正規分布が -0.6 以上となる確率である.正規分布の対称性から,
Pr[ z > -0.6 ] = Pr[ z < 0.6 ] = 0.726
である.

例題
上記の 2 つの集団 A,B において,こんどは両集団からそれぞれランダムに 9 名ずつ選び,それぞれの 平均身長を計算した.集団 A から選ばれた人の平均身長の方が集団 B から 選ばれた人の平均身長より高くなる確率を求めよ.
解答例
集団 A からの標本を x1 ,…, x9, 集団 B からの標本を y1 ,…, y9,とし,それぞれの平均を x-y- とする.
xi 〜 N(172.5,36)より x- 〜 N(172.5,36/9)=N(172.5,4),同様に,
yi 〜 N(168,20.25)より y- 〜 N(168,2.25)である.
これより,集団 A,B の平均身長の差は, ux-y- 〜 N(4.5,6.25)と分布する.
すなわち, 集団 A,B の標本平均の差は,平均 4.5cm,標準偏差 √6.25=2.5cm の正規分布に従う. この正規分布が 0 より大きくなる確率を求めればよい.
 標準正規分布に変換すると,
z = (u − μ)/σ = (0−4.5)/2.5 = -1.8
となるので,標準正規分布が -1.8 以上となる確率である.正規分布の対称性から,
Pr[ z > -1.8 ] = Pr[ z < 1.8 ] = 0.964
である.