2011.11.14
10-4. 母平均に対する t 検定(信頼区間との関係)
帰無仮説 H0:μ = 0,に対して有意水準 5 %の検定を行うとする.
- 母分散既知 −> | z | =
√n ×| x- | /σ > 1.96 なら帰無仮説を棄却.
- 母分散未知 −> | t | =
√n ×| x- | /s > t0
なら帰無仮説を棄却.
- 例題
-
過去の経験から分散が 9 であることがわかっている正規母集団から大きさ 16 の標本を抽出
したところ,標本平均が 1.5 であった.母平均が 0 であるという帰無仮説 H0:μ = 0,
を検定せよ.
- 解答
- | z | = √n ×| x- | /σ = √16×1.5/3 = 2 > 1.96,
となり,| z | 値が標準正規分布の 97.5%点の 1.96 より大きいので帰無仮説は有意水準 5%で
棄却される.
先ほどの例では, 0.03 < μ < 2.97 が母平均 μ の 95% 信頼区間
であった.
母平均 μ の 95%信頼区間が 0 を含んでいないので帰無仮説 H0:μ = 0 は棄却される,
と考えてもよい.
- 例題
-
正規母集団から大きさ 16 の標本を抽出
したところ,標本平均が 1.5 で標本分散が
9 であった.
母平均が 0 であるという帰無仮説 H0:μ = 0,
を検定せよ.
- 解答
- 自由度 15 の t 分布の 97.5%点は t 分布表から 2.13 である.
| t | = √n ×| x- |s / = √16×1.5/3 = 2 < 2.13
となり,| t | 値がこの 2.13 より小さいいので帰無仮説は棄却されない.
先ほどの例では, -0.1 < μ < 3.10 が母平均 μ の 95% 信頼区間
であった.
母平均 μ の 95%信頼区間が 0 を含んでいるので帰無仮説 H0:μ = 0 は棄却されない,
と考えてもよい.
- 例題
-
あるダイエット法 A を無作為に選ばれた
6 名が 3ヶ月間試したところ,以下のデータを得た.この方法に効果があるかを検定してみる.
帰無仮説は,「ダイエット法 A に効果がない.」であり,ダイエット法の使用前から使用後での体重の減少が0より
有意に大きいか,を検定することで効果の判定が行える.すなわち,
ダイエットの効果:減少量平均 = (使用前体重 − 使用後体重)の平均
としたとき,
帰無仮説 H0 : 減少量平均 = 0
対立仮説 H1 : 減少量平均 ≠ 0
と定式化される.
以下の表の空欄を埋めよ.
Copyright (C) 2008, Hiroshi Omori. 最終更新:2011年11月12日