ミクロの生物「珪藻」から川の環境を見つめてみよう
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河川生態環境を学び考えるためのIT教材(本教材)を用いた学習指導プログラム
対象:
第3学年 理系生物選択者
教科書での単元:生物の集団

目標:まず、個体群の構造と個体群内や個体群間の関係について理解させ、次に、植物群落の造りや生態分布、植物群落が時間とともに遷移することも理解させる。さらに、生態系にいてそのなりたちとはたらきを理解させ、人間が生態系を破壊している現状を認識させ、自然環境の保全について問題意識を持たせる。

第4編 生物の集団
   
 
  単元・内容
   
学習目標
珪藻との関わり
教材
補助資料
link
参考資料
link

1.個体群とその変動
環境への適応
  環境要因
作用・反作用・相互作用
環境への適応例



生物集団の成り立ち
  個体群とは何か
個体群の成長と密度効果



個体群の調節
  密度効果


  相変異
生命表と生存曲線
  生存曲線3つの型




4

第1章 個体群と生物群集
  密接な関係を保っている個体群内の関係と個体群間の関係について理解させる。

「環境への適応」
生物を取り巻く環境要因にはどんなものがあるのか。
生物と環境また生物どうしは互いに影響を及ぼしあっていること。(生物の体や生活様式が環境に適応している例をあげて理解を助ける)


「生物集団の成り立ち」
個体群、生物群集とは何か。
個体群の成長と成長曲線について。
成長曲線のグラフの見方。
個体群密度とは何か。

「個体群の調整」
個体群密度の増加による密度効果について。
相変異とは何か。

「生命表と生存曲線」
個体群密度の増加による密度効果について。
相変異とは何か。


 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 


珪藻の個体群例
・付着性→河原の石表面や水槽のガラス面の茶色いヌルヌル
・浮遊性→海岸の植物性プランクトンの主要なものは珪藻で、地球上の光合成の約1/4は珪藻が担っている。

 



 












4-2
5-2

XGA-1

Part3

 
 
 


キツネ(アレンの規則)
クマ(ベルクマン)
休眠芽による分類  
大腸菌  
 
 
 





カサガイ  
ダイズ  
ヒト  
ワタリバッタ  

アメリカシロヒトリ  
ハバチ  
ジカバチ  
ミツバチ  
サケ  
ヒト  

 
 


 
アレンの規則
ベルクマンの規則
ラウンケルの生活形  
   
 
 
 





   
   
   
バッタの相変異  
 
  年齢ピラミッド
         
日本の人口ピラミッド
 
2.個体群内の個体どうしの関係
同種個体群内の相互作用
  群れ

なわばり

順位制

リーダー制
社会性昆虫

2



「同種個体群内の相互作用」
群れるという概念と群れることによって得られる利益について。
個体群内の種内関係における、縄張り、順位、リーダー種内での機能について。







アユの主なエサは石表面の珪藻である。口で削り取って食べている。








5-1-2

XGA-3







アユ
猛禽類
ニワトリ  
サル
サル
シロアリ  







アユの友釣り
オオタカのなわばり  
ニワトリのつつき  
サルのマウンティング
サルのボス
 
3.異種個体群間の関係
異種個体群内の相互作用
  競争

生態的地位

すみ分けと食い分け


捕食と被食
生物農薬



寄生と共生


【VTR】
寄生 BBC制作 「生き物たちの挑戦」第7回

3



「異種個体群内の相互作用」
生活上の要求が似ている種間でみられる競争では、一方が激減すること。
食う食われるの関係にある被食・捕食関係では、(自然状態では)両者とも絶滅しないこと。
競争や被食・捕食関係についてのグラフの見方。
生物群集を構成する多くの種は棲み分け・食いわけをしていること。
生物群集内で果たす役割である生態的地位について。
異なる地域の生物群集で、同じ生態的地位を占める種どうしである生態的同位種について。
異種個体群間の関係としての捕食、寄生、競争、相利共生、片利共生、中立について。
捕食を利用した生物農薬について。



汚いところにすむ珪藻はきれいなところでも住める→汚いところの珪藻は住める範囲が広く、競争の少ない(生態的地位が空いている)場所に住んでいるに過ぎない。




有孔虫の細胞内に共生する珪藻もいる。この場合珪藻最大の特徴である殻を作らない。珪藻の光合成の産物を宿主である有孔虫が利用している。


















4-4


ゾウリムシ
ヒメゾウリムシ  
有袋類
オオバコ  
ブルーギル
ブラックバス
イワナとヤマメ  
ヒメウとカワウ  
オオヤマネコと
カワリウサギ
 
ベタリアテントウムシとイセリアカイガラムシ  
ハブとマングースとアミマノクロウサギ  
人体寄生虫
ラフレシア  
ヤドリギ  
クマノミとイソギンチャク
アリとアリマキ  
イソギンチャクとヤドカリ  
サメとコバンザメ  
カクレウオとナマコ  
セイタカアワダチソウ
アオカビ(ペニシリン)  


   
   
有袋類と有胎盤類比較
   
ブラックバスの卵
   
   
   
   
アメリカでの駆除例  
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
抗生物質を出す菌類  

1.植物群落
植物群落
  森林の階層構造
マント群落・ソデ群落





【実習】
照葉樹林の植物











【VTR】
明治神宮の杜

4

第2章 生物群集の分布と遷移
  地球上の各地に分布している生物群集について、植物群落を中心にその構造と、生態分布及び変遷について理解する。
「植物群落」
植物群落の階層構造について。
階層構造と明るさの変化の関係(林冠と林床など)について。
群落の種類と階層構造の発達の違いについて。
動物群集の階層構造について。








水中のミクロの藻類の群集にも、階層構造に類似する空間的すみ分けがある。
 
(例)照葉樹林の森林の植物  
ニワトコ  
ウツギ  
クズ  
ヤエムグラ  
イノコヅチ  
ヨモギ  
アシタバ  
マテバシイ  
クスノキ  
スダジイ  
ヤマモモ  
ヤブツバキ  
モチノキ  
ネズミモチ  
ヤブニッケイ  
アオキ  
ヤツデ  
ヤブコウジ  
ベニシダ  
ジャノヒゲ  
ヤブラン  
キヅタ  
テイカカズラなど  
照葉樹林〜混合林から陰樹林への移行期の観察  
 
 
2.生物群集の生態分布
植物群系の種類と気候
相関
優先種
いろいろな植物群系
  針葉樹林


夏緑樹林

照葉樹林


熱帯亜熱帯樹林


雨緑樹林
硬葉樹林

ステップ・サバンナ

ツンドラ

砂漠
水平分布と垂直分布
日本の植物
 森林限界・お花畑

海洋の植物
  海浜植物

塩生植物
緑藻類

褐藻類
紅藻類
  植物プランクトン

2



「植物群系の種類と気候」
各地域の環境に対応した生物群集の分布である生態分布について。
環境要因と相観について。
相観で分類した植物群系について。
世界各地に分布する植物群系の特徴について。















「水平分布と垂直分布」
気温の影響が大きい日本の植物の水平分布と垂直分布について。
光の強さと波長の影響が大きい海洋の植物の垂直分布について。
 





海藻生育限界より深い外洋の場合、生産者は植物プランクトンのみ。その優占種は多くの場合珪藻である。

生育環境が異なると珪藻の種類は異なる。例えば、塩分濃度の違いによる海産種と淡水産種、PHの違いによる好酸性種と好アルカリ性種、有機汚濁による強汚染耐性種と弱汚濁耐性種など。

極端な環境に生育するものとして、土壌珪藻、アイスアルジーがある。




そこに「いる」ということが何を意味するのか?環境に応じた分布。
生態的地位と生理的地位についての本質論。













5-3














5-1-2

XGA-1









5-3-1









トウヒ  
エゾマツ  
トドマツ  
ブナ  
ミズナラ  
シイ  
クス  
タブ  
着生植物  
つる植物  
マングローブ林  
チーク  
オリーブ  
ゲッケイジュ  
イネ科  
カヤツリグサ科  
コケ植物  
地衣植物  
サボテン  
ハイマツ
高山植物
ハマヒルガオ
コウボウムギ  
アッケシソウ  
アオサ
アオノリ  
ワカメ  
ホンダワラ  
アサクサノリ  
テングサ  
珪藻類









   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
乾性遷移の各段階  
   
   
   
高山植物花畑の様子
水深と届く光の色(海)  
 
3.植物群落の遷移
植物群落の遷移
一次遷移

優先種
いろいろな植物群系




極相林


二次遷移
乾性遷移・湿性遷移
三宅島の植物遷移

1


「植物群落の遷移」
植物群落の相観と種類組成が変化していく遷移について。
一次遷移と二次遷移について。
遷移が起こるしくみ、極相林で安定するまでに起こる種間競争について。
乾性遷移と湿性遷移。





ミクロレベルの遷移。水中に石を入れて、付着生物を観察した実験。





三宅島の噴火と珪藻類。

 

照葉樹林の例  
(荒原)コケ類・地衣類  
(草原)ヨモギ、イタドリ、ススキ  
(低木)ヤシャブシ、ウツギ、アカメガシワ  
(陽樹)シイ、カシ、タブ、クス  
(暖帯)シイ、カシ  
(温帯)エゾマツ、シラビソ  
アカマツ、クヌギ  
 

1.生態系のなりたち
生態系のなりたち
生態系の構成
 食物連鎖
  生産者、一次消費者、二次消費者、高次消費者

生態ピラミッド
奇生関係の個体数ピラミッド

2

第3章 生態系と物質循環
  生物群集とそれを取り巻く環境とを1つの総合体としてとらえ、その構造やはたらきについて理解する。また、近年人為的な破壊が目立つ自然環境の保全についても問題意識を持つ。
「生態系のなりたち」
生物群集がそれを取り巻く非生物的環境とともに生態系という1つのまとまりを作っていること。
生物群集が役割によって、生産者、消費者、分解者に分けられること。
「生態系の構成」
生態系内の生物群集が食物連鎖によって関係しており、それは食物網と呼ばれる複雑な関係であること。
個体数や生体量や生産力に関する生態ピラミッドについて。










地球上の光合成の約1/4は珪藻がやっているため、珪藻は生産者としての大きな役割を担っている生産者。


珪藻と寄生カビ(キトリド)との個体数の増減関係。











5-2-1

XGA-1








森林の食物網  
湖の食物網  
サクラ  
ケムシ  
寄生バチ  
ダニ  

   
   
   
   
アワビ・車エビ等の水産関係資料
珪藻培養装置
   
   
アオムシコマユバチの寄生  
 
2.生態系のはたらき
生態系の物質収支
  各栄養段階の収支内訳
エネルギー効率
補償深度
物質の循環とエネルギーの流れ
  炭素の循環
窒素の循環
エネルギーの流れ
【VTR】生きている土












【実験】
土の中の分解者の検出及び生ゴミ分解菌を使った堆肥作り

8


「生態系の物質収支」
生産者による有機物生産が生態系の物質収支のスタートであること。
生態系における各栄養段階の物質収支、すなわち生産量や同化量及び成長量、被食量、枯死量、呼吸量、不消化排出量の関係について 。
各栄養段階のエネルギー効率について。
海洋での有機物生産について。

「物質の循環とエネルギーの流れ」
食物連鎖を通じて生態系内を炭素や窒素などの物質が循環していること。
生態系内に流入するエネルギー源は太陽光エネルギーであり、食物連鎖を通じて移動するが、生態系内を流れるだけで、やがて熱として失われ、循環しないこと。





効率の高い光合成を行う珪藻種(C4種物に類似の光合成経路をもつ種)。







5-2-4













植物プランクトン  
ヤスデ  
ミミズ  
ダニ  
フザリウム  
センチュウ  
糸状菌  
放線菌  
枯草菌  
クモ  
カブトエビ  
ホウネンエビ  
生ゴミ分解菌(市販)  
 
 
3.生態系の平衡と保全
水質汚濁
  自然浄化
水質汚染

富栄養化

下水処理場と浄水場


湖沼浄化

ファイト・メディエーション(植物浄化)
指標生物
 
【実習】珪藻による水質判定シミュレーション(4コマ分)
 
生物濃縮

環境ホルモン
生態系の平衡の破壊
  外来生物の導入
干潟の生態系
地球温暖化・森林減少
酸性雨・オゾン層の破壊

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「水質汚濁」
河川や湖沼に自然浄化作用があるように、自然の生態系は安定性が高く復元力もあること。
生態系の平衡は、多数の種類の生物による複雑な相互干渉で保たれていること。
人間の生活が安定した生態系を崩していること。
生態系の平衡の崩れの1つとしての水界生態系の富栄養化について。
環境の汚染度を判定する1つの材料となる指標生物について。


「生物濃縮」
生物が分解・排出できない物質が食物連鎖により体内で濃度が濃くなっていく生物濃縮について。

「環境ホルモン」
生体内でホルモンのような作用をしたり、本来のホルモンの作用を阻害したりする化学物質である内分泌かく乱化学物質 (環境ホルモン)について。

「生態系の平衡の破壊」
外来生物の導入による生態系平衡の破壊について。
干潟・湿地の生態的意味と埋め立てなどによる干潟・湿地の破壊について。

「地球温暖化・森林減少」
地球温暖化や森林減少という地球規模の環境問題について。

「酸性雨・オゾン層の破壊」
酸性雨やオゾン層の破壊という地球規模の環境問題について。





良い環境:珪藻の種類も多い(種の多様性が高い)
悪い環境:珪藻の種類は少ない(種の多様性が低い)




水があれば珪藻は地球上のどこにでも、どんな水質のところにも出現する。水質によって出現種が違うので、有用な指標生物である。














珪藻にも外来種がいる。
抜群に高い干潟の珪藻の多様性。






北米やヨーロッパでは湖沼の酸性化の変遷を知る指標生物として珪藻が用いられている。







5-4










5-3-1























XGA-1




うずべん毛藻類(ギミウノディウム)  
らん藻類(ミクロキスティス)  
活性汚泥
アシ  
ヨシ  
干潟
イネ
カラシナ  
プラナリア
サワガニ
カワゲラ類
セスジユスリカ
イトミミズ

 
植物プランクトン→貝類→魚類→鳥類  
イボニシ  
ワニなど  
マングース  
ブラックバス
ムツゴロウ  
ゴカイ  
シギ  




貧栄養湖  
赤潮およびアオコ  
   
   
下水処理場の仕組み
浄水場の仕組み
自然浄化資料  
   
   
   
   
水質指標生物  
   
   
生きている珪藻
暗視野で見た珪藻
河川珪藻  
海生珪藻  
珪藻の構造
珪藻の生殖
珪藻を食べる生き物
   
   
   
ダイオキシン環境基準  
   
   
   
バイオマスエネルギー
自然エネルギー
 
 
◆水質判定シミュレーションソフトを用いた授業計画
@事前学習(1)・・・珪藻とは何か、パソコンソフトの使用説明。
A実習(2)・・・SimRiver(水質判定シミュレーション)を使用した実習。
B事後学習(1)・・・指標生物についての理解、評価。
 

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