試験はどう行うべきか:実験計画法 |
作物において,収量や抵抗性などの調査研究したい特性を形質(character)という.
着目した形質に影響を与えると考えられる品種,温度,施肥量などを
要因または因子(factor)という.要因の影響を調べるためいくつかの品種を用いたり,
施肥量に段階を設けたりするが,それを水準(level)という.
要因と水準を決定したら,その反応を調べるためには,圃場で実際に栽培してみる
必要がある場合が多い.
しかしながら,圃場の環境条件は場所により異なり,均一の条件で栽培管理を行うことは
難しい.環境条件に多少のばらつきがあると想定される場合には,ばらつきの影響を無作為化
する必要がある.これを行うのが,実験計画法である.
実験計画の創始者である R.A. Fisher が提唱した原則で, 反復(replication),無作為化(randomization),局所管理(local control) の3つからなる.これらは, 処理の違いに基づく差が偶然の誤差を超えて有意なものかどうか統計的に判定するため, 実験を行うにあたり必要な管理原則である.この原則に基づいて圃場での実験配置が設計される.
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