雑然−整然軸と和風−洋風軸    (多数の質問による庭景観写真の評価) |
2000年度東京大学農学部3年生39名(男子29名,女子10名)を被験者にして 横浜市青葉区の個人住宅庭園の代表的な78景観 から適当に選んだ40庭景観写真に対し, 質問票 による評価実験を行った.
この結果を総合して農学部学生が庭景観に対してもつ印象が
プロファイリングデータ
として得られた.このデータに数量化3類を適用して成分ごとの庭景観座標とカテゴリー座標
との相関は以下の図のようになった.
これをみると,次元が上がるにつれて
相関がだらだら低下しているが,第3成分で相関が少し落ち込んでいる.このため,
主要な相関構造は第1,第2成分にあると考えられる.
第1,第2成分の庭景観写真座標と質問項目座標の重ね合わせた2次元布置をみると,
先ほどの非計量的MDSの2次元布置と同様,環状になっていて,
個々の庭景観写真がうまく特徴づけられたことがわかる.
質問項目は全体に散らばっているが,中央付近に配置した項目は,特定の庭景観写真との対応づけ
が取れなかった項目である.
一方,周辺に位置する項目が景観写真を特徴づけるキーワードになっている.
この同時布置をみると,第1成分は「Q12:雑然」,「Q11:鉢植え」(庭番号57,28,60に対応)
から「Q26:整然」,「Q13:幾何学」,「Q3:芝生」(庭番号58,64,69,24に対応)
と変化している.
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