広さの軸と和洋の軸    (類似度による庭景観写真の評価)

  横浜市青葉区の個人住宅庭園の代表的な78景観 に対し,景観間の類似度を計測するため,東京大学農学部の3年生31名(男子23名,女子8名) を被験者にしてグルーピング実験を行った. これより, 景観間の類似度行列 が得られた.

計量的MDS と非計量的MDSのストレス
ストレスの図

 類似度の最大値31から 庭景観写真間類似度行列 の値を引いたものを非類似度行列 S とした. 計量的MDS と非計量的MDSを用い, 1次元から10次元まで次元数を変化させた.
 次元数をあげるとストレスはなだらかに 減少しているので,適当な次元数はわかりにくい. ストレスが 10% 程度になる次元数 4 まで考えれば十分であるが,ここではストレス が 20% の次元数 2 の布置に関して考える.


 

非計量的MDSによる庭景観写真の布置(第1−第2成分)
MDSの図

 第1,第2成分による布置 をみると,庭景観写真が環状に配置されていて,この2軸で庭景観写真がよく 特徴づけられることが わかる. 景観写真の印象から,布置の第1成分は「空間的拡がり−空間的狭さ」, 「整然−雑然」を表現した軸で,第2成分は「和風−洋風」を表現した軸であることが 読み取れる. このことから, 庭景観写真に対する主観的・直感的な分類は,「広さ」と「和風・洋風」 を軸になされていることが推察できる.


 

Rのコマンド


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最終更新日:2004年 5月20日