年により収量は異なるか:年次効果  (どの効果があるのか:分散分析と F 検定)

 4年間にわたって行った データ表 を用いると, 気象条件などの年ごとの違いによる効果がわかる. 年次効果を γk で表すとすると,

Xijkl = μ + αi + βj + γk + (αβ)ij + (βγ)jk + (αγ)ik + (αβγ)ijk + εijkl
という 3 元配置モデルで記述できる.ただし,ブロックの 1 と 2 は毎年管理者が異なるので, ブロック効果として取り出さず,たんなる繰り返しとした.

収量に対する年次効果と処理効果の分散分析表
要因自由度平方和    平均平方 F 値    p 値    
密度1124 1250.0330.858
施肥267405 337038.8510.001**
年次 354399 181334.7620.010**
密度×施肥22352 11760.3090.737
施肥×年次675051 125083.2850.017*
密度×年次32376 7920.2080.890
密度×施肥×年次626516 4419/td>1.1610.359
誤差2491389 3808   
* : 5 % 有意,**:1 % 有意
「日本晴」収量の年次効果と施肥水準によるプロット(1996 〜 2000年度)
収量

 上の分散分析表をみると,年次効果と施肥量効果は主効果と交互作用ともに有意 となったが,密度に関しては有意とはならなかった.どのような効果が存在するかをみるため,年次と施肥量水準の 組み合わせごとの平均を図にプロットした.
 これをみると, 年次ごとに収量に変動があることがわかる.また, 無肥料区(fert1)と少肥料区(fert2)は年次ごとの変動が似ていて,少肥料区 の方が収量が高くなっているが,多肥料区(fert3)は2000年のように高収量 のときもあるが,1996年や1997年のようにそれほど高い収量が得られない場合 もあり,これが交互作用として検出されている.これは,多肥料区で繁茂しすぎて 倒伏が起こった年があったためと考えられる.


R のコマンド


章目次 前へ もどる 次へ

最終更新日:2004年 5月20日