|
ドイツのエーレンベルグ(C.G.Ehrenberg)キュッツィング(F.T.Kuetzing)、スウェーデンのアガード(C.A.Agardh)、やや遅れてイギリスのラルフス(J.Ralfs)といった顕微鏡学者・藻類学者の大家が多くの基本的な種類を記載し珪藻分類の基礎を作り上げました。彼らは水中から珪藻を見いだすばかりでなく、珪藻土からも多くの種を記載しました。珪藻土とは、珪藻細胞が死んだ後、珪酸質であるため腐敗しない殻が多量に堆積してできたもので、粘土やシルトの他に珪藻の殻を多量に含み(SiO2として70%以上含有)白色〜灰色をしています。
当時の顕微鏡はまだ性能があまり良くなく、さらにプレパラートもガラスを使ったものでなく、マイカ板に試料を載せただけのものでした。このため細かい殻の模様について詳しい観察ができませんでした。今でもエーレンベルグの標本はベルリンのフンボルト大学自然科学博物館、キュッツィングの標本はロンドンの自然史博物館、アガードのものはルントの植物学博物館に大切に保存され、現代の珪藻分類学者によってしばしば再研究されています。
|
|
|
|