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珪藻の被殻は、しばしば弁当箱の「蓋」と「身」にたとえられます(蓋は上半被殻、身は下半被殻に相当します)。核分裂後、細胞質が分裂し、その後分裂面に向かい合って新しい娘殻が形成されるので、2つの娘殻は、親被殻の「蓋」と「身」に対しては、どちらも新しい「身」になります。これは、新しい殻が常に親の被殻の内部で形成され、親の被殻よりサイズの大きい「蓋」を作ることが不可能なためです。このため、細胞分裂で作られる新しい殻は、常に「いれこ」細工のようになり、細胞分裂を行うたびに、そのサイズはどんどん小さくなっていきます。
珪藻の細胞分裂方法
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ユーノチア・フォルミカ(Eunotia formica)で筆者が計測したところ、分裂するたびに被殻は長さが1μmずつ減少しました。こうして無性的な2分裂を何回と無く繰り返すと、ついには被殻の長さが最初のものと比べ1/2〜1/4にまで減少してしまうのです。さて、その後も珪藻は分裂を繰り返したなら、細胞はどんどん小さくなって、最後には無くなってしまう!・・・・・・そこで珪藻は有性生殖を行い、増大胞子を形成してサイズを回復するのです。 |
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