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珪藻細胞は他の単細胞性の藻類と異なり、球形や楕円球の形をとらずに、複数の面からなる、カドのある形をとっています。これにより、体積あたりの表面積を大きくとることができます。このことは、粘土でボールを作った後、そのボールを手のひらで押して平たくしてみることを考えれば、簡単に理解できると思います。平たく伸した粘土は、グニャリとしてしまいますが、珪藻はガラスのような硬い被殻をもっているので、形を保つことができます。実際、珪藻には細長い種類や平べったい種類がかなり多くあります(付着珪藻ではこの傾向はより高いものとなります)。体積に対する表面積の比が大きくなると、単位原形質あたりに供給する無機塩類などの栄養とCO2値は高くなるので珪藻の形は生存戦略上とても有利です。さらに、珪藻はどの種類も大きな液胞をもつため、核のある中央部を除き、原形質は被殻の内側にへばりついたように配置しています。つまり、被殻の内部は原形質で一杯に満たされていないのです。このことも、細胞における原形質の単位体積あたりに供給される栄養とガスの量を増加させるため、生存戦略上有利に働いているといえるでしょう。 |
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