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まずカバーガラスを三脚に載せた石綿金網(アルコールランプ、ガスバーナー、電熱器などで加熱します)やホットプレート(もちろん電気で加熱)の上に置きます。これが一般的な方法ですが、私はセランというセラミックスの板(写真1)をガスコンロの上に直において使っていますが、平面性も良いし、火を消すと直ぐに冷めるので、これが結構使いやすい。値段もホットプレートの数分の一です。 |
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次ぎにクリーニングした珪藻試料の懸濁液をカバーガラスに滴下します(スライドガラスではないことに注意)(写真2)。この時、一滴アルコールを加えると試料が均等に広がります。 |
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この後、加熱により乾燥させます。水が完全に消えた後も1分ほど加熱を続けると多孔質の殻から完全に水分が無くなり、殻が白く見えるようになります(写真3)。aとeは珪藻の濃度が高すぎて、検鏡の時個体が重なり合って見づらいプレパラートができてしまいます。cくらいの濃度が最も観察しやすく、お勧めです。 |
次に珪藻の載っている面をスライドガラス側に向け高屈折率の封入剤で封入します。水やカナダバルサムを使ってはいけません! 珪藻殻は、いわばガラスみたいなものです。ガラスでできた「スライドガラス」と「カバーガラス」の間にガラスのような「珪藻殻」をサンドイッチにして低屈折率のもので封入したのでは、ほとんど殻の模様は見えてこないのです。今まで、通常のプランクトン観察の方法で珪藻殻がよく見えなかった方! 原因はここにあったのです!
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最も手に入りやすい封入剤はプルーラックスでしょう。和光純薬(株)からは「マウントメディア」の商品名で販売しています(写真4)。(もし、手に入らなければ下記をご参照ください) |
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スライドガラスに少量のプルーラックスを塗り、乾燥した珪藻殻が張り付いているカバーガラスを上から載せます。もちろん、珪藻の載っている側をプルーラックスに向けてください(写真5)。 |
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プルーラックスはエチルアルコールに溶かされているので、その後スライドガラスを軽く暖め、アルコールを飛ばします(写真6)。最初のうちは、泡がブクブクとたちますが、しばらくすると泡の出方が悪くなります。この状態でアルコールが完全に蒸発しています。それ以上熱していると、今度はプルーラックス自身が沸騰してしまいます。そうなると、完成時に、やけに茶色のプレパラートができてしまいますし、屈折率も悪くなります。 |
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スライドガラスを火から(ホットプレートから)下ろし、ピンセットでカバーガラスの配置を整え、軽く押しつけます。この時、素早くやらないと、固まってしまいますので注意が必要です。その後、ものの数分待つだけで珪藻殻の永久プレパラートができあがります(写真7)。 |
※プルーラックスが手に入らない場合
簡便な方法でも珪藻殻をよく見ることができます。それは封入剤として空気を使うのです。スライドガラスの上に、乾燥した珪藻が載っている(実際は張り付いている)面を下にして、カバーガラスをかぶせます。
次に、カバーガラスの両側にビニールテープを貼り、スライドガラス上に固定します。これだけでいいのです! 後は、顕微鏡で観察するだけです。空気とガラスの屈折率の差が、信じられないほどの像を生み出します。ただ、このプレパラートは永久プレパラートではありません。日数が立つにつれ、カバーガラスから珪藻殻が次第にはがれ落ちてきますのでご注意あれ。
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