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6-2. 珪藻の分類体系 |
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Simonsenの分類体系
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珪藻類の分類体系は古くから、全体を中心珪藻と羽状珪藻の2つのグループに大別するものが採用されてきました。中でも
Simonsen (1979) の体系は、殻の構造中心が点か線か、有性生殖が卵生殖か否か、という2形質を分類基準として珪藻綱を中心目と羽状目に大別したもので、体系が分かり易いこともあり、我が国における近年の出版物中ではしばしば紹介されてきました(出井・真山1997、高野
1997など)。Simonsen の体系は目の分類形質として有性生殖の様式を取り入れた以外は、すべての分類階級で、被殻構造のみにより分類されていますが、そのほとんどは光学顕微鏡レベルの形質でした。 |
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6-2-2. Round, Crawford & Mannの分類体系 |
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Simonsenの分類体系が発表された後(1980年以降)は、電子顕微鏡が珪藻の分類に多用される時代となりました。また、一時はほとんど忘れられていた、珪藻の葉緑体の形や数の分類学的重要性を再認識する研究もCox
(1987など)やMann (1989など) によっておこなわれるようになりました。こうした背景をふまえRound et al. (1990)は電子顕微鏡観察による被殻の形態を重要視するとともに、葉緑体の形や数なども含めて、新しい珪藻の分類体系を構築したのです。彼らは殻の形成様式の違いを考慮に入れ、珪藻類をまず、3つに大別しましたが、珪藻類を門とみなしたため、それらを3つの綱(コアミケイソウ綱、オビケイソウ綱、クサリケイソウ綱)として記載しました。これらの分類群はSimonsenの体系では、中心目、羽状目無縦溝亜目、羽状目有縦溝亜目とされていたものに相当します。
Round, Crawford & Mannの分類体系
【引用文献】
Round, F. E., Crawford, R. M. & Mann, D. G. 1990. The diatoms. pp.747.
Cambridge Univ. Press, Cambridge.
Simonsen, R. 1979. The diatom system: Ideas on phylogeny. Bacillaria 2: 9-71. |
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