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植物の細胞内小器官である葉緑体は、無色の真核生物に、光合成能をもつ藍藻のような原核生物が取り込まれて生じたものと考えられています。黄色植物の葉緑体はこの一次共生生物を取り込んだ二次共生によって獲得したものと考えられるようになりました。二次共生の証拠はいくつかあります。葉緑体に4枚の包膜をもつこと(2枚は葉緑体膜で、外側の2枚の膜は葉緑体を包む膜で葉緑体ERという)と、葉緑体ERと葉緑体膜のあいだにペリプラスチダルコンパートメントと呼ばれる空間をもつことなどです。
このような二次共生は藻類の他の系統でも知られ、細胞の微細構造と分子系統解析による葉緑体の遺伝子系統と真核生物の核の遺伝子系統の比較から、藻類の多様性の原動力となっていることが明らかになってきています。
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